サウスコースト、溶岩と苔と砂の大地

Iceland

レイキャネス半島の付け根のセルフォス(Selfoss)という町から東海岸の入り口のヘプン(Höfn)という町の間の390kmほどの海岸沿いのエリアはサウスコーストと呼ばれている。氷河、氷河湖、滝、峡谷など見るべきところは多いが、何せ390kmの距離がある。見所の間は、砂原、苔がついた溶岩台地が永遠と思われるほどに続く。

ミールダルスサントゥル(Mýrdalssandur)砂原

ヴィークから東へ向かうとミールダルスサントゥル(Mýrdalssandur)砂原がある。この写真は車を停めて、西側を撮った一枚。後ろに見えているのはヒョルレイフスホフジ(Hjörleifshöfði)という山。この山を通り過ぎたあたりから平原が続いている。

ミールダルスサントゥル砂原の北側にはミールダルスヨークトル氷河があり、その氷床の下にはカトラ火山が潜んでいる。火山活動によって氷河が急速に融けると、「ヨークルフロイプ(jökulhlaup)」と呼ばれる大規模な氷河洪水が発生する。ミールダルスサントゥルは、こうした洪水が大量の火山砕屑物や砂を運び、堆積させてつくられた砂原とのことである。

この写真を見ると、溶岩台地、砂原、氷河などのアイスランドそのものといった風景の中をドライブしたことが思い出される。このページでは西から通っていく順に、エルドフロイン(Eldhraun)、キルキュバイヤルクロイストゥル(Kirkjubæjarklaustur)などで撮った写真を掲載している。

Laufskálavarða

ミールダルスサントゥル砂原を過ぎた辺りにリングロード沿いに駐車場があるルイフスカゥラヴァルザ(Laufskálavarða)という石積みの丘に立ち寄った。かつてミールダルスサントゥル砂原を初めて渡る旅人が、旅の幸運を願ってケルンを積んだそうだ。

エルドフロイン(Eldhraun)

ミールダルスサントゥル砂原から更に東へ進むとエルドフロイン(Eldhraun)という苔むした溶岩台地になる。駐車場は、リングロード沿いのわかりやすい場所で、周囲には遊歩道があり、ダートロードの起点にもなっているようだった。

エルドフロイン(Eldhraun)の苔むした溶岩原。この広大な溶岩原は、18世紀のラキ火山噴火によって流れ出した溶岩でできているそうだ。この溶岩原は厚い苔に覆われているのが特徴らしい。後ろに大きく広がっている真っ白な雪山は、ミールダルスヨークトル氷河である。

一隊の撮影クルーと数名の観光客がいた。撮影クルーは、機材を土や雪の上に置き、苔の上に置いていないという配慮をしているようで、自然保護関連の放送だろうと思われる。どんな番組を撮ったのか気になるところだ。ジャスティンビーバーが苔の上で転がった場所だそうなので、反面教師的な啓発番組とか....これは、妄想。

近くにフャズラオルグリューヴル峡谷(Fjaðrárgljúfur)があるのだが、別ページで掲載する。


キルキュバイヤルクロイストゥル(Kirkjubæjarklaustur)

キルキュバイヤルクロイストゥル(Kirkjubæjarklaustur)は、リングロード沿いの人口200人ほどの小さな集落である。しかし、この集落には、ガソリンスタンド、スーパーマーケットなど生活や旅行に必要なサービスが揃っている。ヴィークとヘプンの間では数少ないサービス拠点で、オアシス的な存在だと言える。4月の旅行の時は、この近郊のホテルに2泊した。理由は、まさに、近くに宿泊施設はほとんどないからである。

地理的には、エルドフロインの溶岩台地が東に位置する。この集落の南側にはスカフタアゥ川(Skaftá)が流れ、周囲には草木も見られる。ただし、掲載した写真を撮影した4月はまだ早すぎるのか冬の装いだった。8月のツアーの時は、緑が鮮やかだった。しかし、通り過ぎただけで撮影タイムはとくに設けられなかった。

キルキュバイヤルクロイストゥル辺りから、キェイザルアゥルヨークトル氷河の手前辺りまで、リングロードの北側には、かつて海岸線をつくっていた海蝕崖が、現在は隆起して内陸に約40kmにわたって続いている。写真を掲載した、シストラフォス(Systrafoss)、シードゥの滝(Foss á Síðu)など多くの滝がこの崖の上から落ちている。有名でない滝も表情が豊かだ。海蝕崖の東の方のだがカルファフェットル(Kálfafell)の農園では、農家らしい家と左右二つの凹凹がある滝など絵になるなぁと思ったことだ。また、海蝕崖の下には広大な低地が広がり、東へ行くにつれてスケイザルアウルサントゥル砂原へと続いていく。緩やかな小川や小さな湖沼も点在する。

宿泊したホテルは、エルドフロイン寄りの平原の真ん中にあり、周囲には遮るものがなかった。そのホテルの近くに散策に出て見た朝景はとても印象的だった。ロゥマグヌープル山(Lómagnúpur)が見え、後方には雪を冠したスカフタフェットルエリアの山々が見える。太陽は、手前の湖沼にキラキラと反射し――てんこ盛りの光景だ。

カルファフェットルの東にあるロゥマグヌープル山では、この一連の崖が最も高くなる。この山を過ぎるとリングロードは崖をはなれ、スケイザルアウルサントゥル砂原の直線道路へ向かうことになる。