アイスランド、サウスコースト、レイキャヴィクから東へ約150kmほどのところに、エイヤフィヤトラヨークトル(Eyjafjallajökull)火山・氷河がある。この氷河に覆われた火山は、2010年にヨーロッパ中の航空網を麻痺させた噴火で有名である。周囲には垂直に切り立った崖が続いている。最終氷期の終わり頃には相対的な海面が現在より高く、大西洋に面した海蝕崖だったところで、その後、海面が相対的に低下し、前面に低地が形成されたことで、現在は海岸から内陸に位置している。この崖に沿って幾つもの名瀑がある。
サウスコースト、4つの滝
セリャラントスフォスはその隆起した海蝕崖にある滝の一つだ。高さ60mほどで、スリムな姿が美しい。季節によって水量、つまり幅が変わるらしいが、4月と8月ではあまり差がないように思えた。
そして、裏側に入れる滝として有名である。これだけ大きな滝で裏へ入れるというのは、撮影アングルを楽しむ上で楽しい。しかし、裏側通路は濡れているし、足場が良くない。また、来訪者が滞留することもあり、三脚立ててゆっくり撮影するという雰囲気ではなかった。
また、裏側から夕陽をバックに撮るという楽しみがあることはわかっているが、旅程の都合で諦めざるを得なかった。
虹が出ている。
ちゃんと目立つ(笑
グリューフラフォス(Gljúfrafoss)の滝は、セリャラントスフォスの北側にあり、両滝の間はトレイルで繋がっていて、歩いて移動できる。
大きな岩壁の裂け目の奥に隠れるように落ちている。正面から見ると奥に白い筋が見えるが、全体の姿を見ることはできない。川の中の飛び石を伝って裂け目の中に入ると、奥には深い空間が広がり、見上げると空が見える。外からは想像できない空間だ。ダイナミックな光景というより、繊細な職人芸といった感じがする。
この滝は崖の表面を落ちていない。崖上の端から少し離れたところを水が浸食し、穴をうがつようにして現在の形になったのだろうか。さらに、そこから外へ向かって細いスロットが延びている。見ていると、製本のとき上からドリルで揉んで開けた穴に紐を通したら、背が切れてしまった――そんなイメージが浮かんだ。
どんな滝があるかわからない。
無名の滝が幾筋もある。
セリャラントスフォスのしなやかで繊細なシルエットに比べて、スコゥガフォスは圧倒的な迫力と力強さを感じさせられる。
セリャラントスフォスと同じ旧海蝕崖にあるスコゥガフォスは、高さは約60mでほぼ同じだが、幅は約25mと倍以上あり水量が多い。轟音と水しぶきが半端ない。レインコートを着ているが濡れてしまうのは言うまでもない。撮影するとき、カメラが濡れないようにカバーで覆っておくのが面倒だったことを思い出す。
正面から見て右の方に、展望台とそこまで登る道が見える。ここを登るのはかなりきついが、下からとは違ったアングルで滝が見られる。一番上の展望台より、少し下の出っ張りから見る滝の方が迫力あるかもしれない。確か、ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)の 「I'll Show You」のMVでも彼が出っ張りの岩の上に座っていたと思う。
この滝は虹を見られる確率が高く「虹の滝」とも言われるとか。8月は曇っていたので見られなかったが、4月にはダブルで出ていた。
旅行から帰って、このスコゥガフォスの背後にオーロラが出ている写真を見つけ、次に来ることがあればこのあたりに宿泊して夜景を撮りたいと思っているが、まだ実現していない。
オーロラは、冬しか出ないわけではなく、白夜の期間を除き、条件さえ整えば見える。事実、カナダのイエローナイフにオーロラツアーで訪れたのは9月だった。
クヴェルヌフォス滝(Kvernufoss)
クヴェルヌフォス滝(Kvernufoss)はスコゥガフォスの東側近くにある。曲がりくねった谷間を川沿いにトレイルが整備されている。進んでいくと滝の音がして姿も見えてくる。
この滝は裏側が大きな洞窟になっていて、回り込んで歩くことができる。静かな穴場的スポットだった。我々が行ったときは、すれ違う人はいなくて、いたのは、放牧されている羊だけだった。ガイド付きツアーでないとまず訪れないだろうと思っていた。
現在はトレイルが整備され、入り口にはカフェまであるようだ。近年は訪問者も増えているという。ネット上にある画像を見ても、私たちが訪れた頃とはずいぶん様子が変わってしまったらしい。
いった方が、正確かもしれない。
こちらは滝登る鯉を表した「鯉魚石」かも。
帰りも滑る道に気を付けながら下った。1時間強、雨だったが、人混みとは無縁なウォーキングを楽しむことができた。
ここでは、サウスコーストの旧海蝕崖に沿う4つの滝をフィーチャーしたが、これらの他にも無数の滝がある。また、エイヤフィヤトラヨークトル周囲以外にも見所の滝があり、別のページに掲載している。