医師から「今のうちにQOL(Quality of Life)を楽しみなさい」と言われた。そのとき真っ先に思い浮かんだのが、一生に一度は見たいと思っていたオーロラだった。抗がん剤治療のインターバルを利用して、カナダ・イエローナイフへ向かった。
見えるかどうかは天候次第なのだが、三日目に大当たりだった。この頃は太陽活動が活発だったため、穏やかな揺れでもエネルギーは非常に強く、高高度の紫や赤まで鮮やかに発光したようだ。
医師から「今のうちにQOL(Quality of Life)を楽しみなさい」と言われた。そのとき真っ先に思い浮かんだのが、一生に一度は見たいと思っていたオーロラだった。抗がん剤治療のインターバルを利用して、カナダ・イエローナイフへ向かった。
見えるかどうかは天候次第なのだが、三日目に大当たりだった。この頃は太陽活動が活発だったため、穏やかな揺れでもエネルギーは非常に強く、高高度の紫や赤まで鮮やかに発光したようだ。
第一夜と第二夜は、オーロラ鑑賞ツアーのバンでオーロラが見えそうな場所を巡ったがほとんど見えず。第三夜はグレートスレーブ湖(Great Slave Lake)の島で鑑賞することになっていて、この夜があたりだった。
ボートで島へ向かう途中、西の空がぼんやりと明るくなり始めた。それを見たガイドが「今日は期待できますよ」と声を掛けてくれた。島に着く頃には緑のカーテンが揺らぎだし、やがて空いっぱいに広がっていった。3枚目は真上を撮った画像だが、ダイナミックに全天に広がっているという感じだった。4枚目~6枚目は、広角レンズで遠景を意識して撮ったのだが、広がっているのがよくわかる。
7枚目~9枚目は、カメラを固定して約1分間に撮影した3枚。揺れているのがわかる。空全体が嵐のように乱舞する「ブレイクアップ(Breakup)」には至らなかったものの、その前兆のようにほどよく揺れ続けていた。撮影しやすい。最後の3枚は、数多く撮ったなかから気に入ったものをピックアップしてみた。
深夜2時半頃に島を離れたあとも、オーロラはホテルへ帰る道すがら、まだ空に揺れていた。
「こんな色に見えるわけがない」とよく言われるが、フェイクではなく、カメラが捉えた「そこに確かにあった光」を引き出したもの。確かに、肉眼では、ほとんど緑に見え、かすかに紫や赤いカーテンに気付くといった状況だった。人間の目は暗闇で赤や紫を捉えにくいが、カメラは、10~30秒もの間シャッターを開けていることもあり、そんな色も捉えて蓄積しているわけである。ポストプロセス(現像ともいわれる処理。PC上でCameraRAWなどのソフトを使う。)をおこなうと、記録していた高度200km上のピンクや紫色の光が自然と画像に出てくることになるわけだ。
この時は、湖面には美しいリフレクションが映っていたはずだった。しかし当時は、そこに気付いていなかった。後日探してみたら、少しボケているこの一枚だけだった。今だったら必死で撮っていただろうと思う。
ところで、この時持って行ったカメラは数年前に買ったばかりのフルサイズデジタル一眼レフ中位機種だったが、オーロラを撮るときの設定や方法を十分に理解も勉強もしていなかった。帰国後撮った写真を見るにつけもったいなかったなぁと思う。なめていたつもりはないけど、軽く考えすぎてた。しかし、幸い、自動処理されたJPEGだけではなくRAWデータでも保存していたため、帰国後に現像し直して、どうにか見られる写真に仕上げることができた。
女房殿が航空会社の雑誌広告を見て「週末に一泊三日でオーロラを見に行こう。」と言い出したのは2010年くらいだったろうか。いつ訪れたら見られるか。女房殿は、オーロラ研究をしているフィンランドの天文学博士にまでメールで問い合わせまでしていた。結局のところ、確実な予測は難しいとわかった。(当時オーロラ予測アプリのようなツールはなかったと思う。)また、極寒の冬の旅行になるというのも腰が引けていた理由だ。ある日、テレビを見ていた女房殿が言った。「オーロラって夏でも見えるんだって!」 調べてみると、一日24時間365日どこかでは出ていて太陽の光や雲で遮られなければ見える。現実的には白夜期間は太陽光が邪魔をしていて見られない。雨雲や雪雲で隠されていれば見えない。が、他に季節的な条件はない。つまり冬でなくても見られる!
ということで、冒頭に述べたような理由で、2014年7月の終わりに思い立ち9月の中旬に訪れられそうなことがわかり、当初考えていたフィンランドではなくカナダのイエローナイフを訪れたという経緯だった。
イエローナイフに決めた最大要因は、オーロラベルトの真下にあり見える確率が非常に高いので、4泊6日で行けば見られないことはないだろうと思ったことだった。オーロラを見るメインイベントまでの昼間は宿でゆっくり過ごし、夜は4回のツアーに参加するという計画を立てた。3回は自動車でオーロラ出現場所を追いかけるというコース、1回はボートで湖上の島へ行きそこでチャレンジするというコースにした。レンタカーを借りてまわるという選択肢もあったが、旅行情報によるとツアーではガイド達が無線で連絡を取り合ってオーロラが見える場所を見つける。何もない広い平野なので土地勘がないとどこに行っていいかわからなくなる。駐車場が完備していない。といった理由で薦められていなかった。最終的にベックスケンネルという現地ツアー会社にお世話になった。空港の送迎、オーロラハンティングツアー、追加での昼間のツアーなど至れり尽くせりだった。
旅程概略は以下の通り。
4travel.jpに、もう少し詳しい旅行記を記載している。